こんにちは。テレワーカーYです。
もうすぐ入学式の季節です。今回は、もし自分が大学新入生だったら、どんなパソコンを選んだら良いかについて考えていきます。いつもより少し詳しく説明します。
なお、このブログを書く際に、Twitterで三重大学教育学部の奥村晴彦先生に、学生さんが使うアプリやパソコンの推奨スペックや、使い方の現状について教えていただきました。ありがとうございました。
はじめに
今年、大学に入った学生さんが、どんなパソコンを選んだらいいかのを考える道筋をお伝えしたいと思っております。個々人の通う学校や、状況の違いに合わせて応用していただければ、自分が何を買ったらよいのか考えることが出来ると思います。なお、今回はデザイン系の特に速いパソコンが必要な場合は考えていないのですが、こちらの4K動画配信用デスクトップパソコンを選定したブログも参考にして下さればと思います。
用途を決める
大学でノートパソコンが借りられる場合はいいのですが、そうでない場合は自分で調達しないといけません。アプリとしては、ワープロ、表計算、プレゼンテーションソフトが必要になります。
また、プログラミングが必要な勉強をされる方は、動作環境を作る必要があります。
必要なアプリを決める
いわゆるオフィススイートが必要です。代表的な製品はMicrosoft365(WORD、EXCEL、POWERPOINT等)になります。学校単位で契約していれば無償ですが、そうでない場合は自分で購入するか、別のアプリにする必要があります。
他に有料のものもあるのですが、フリーソフトではLibre Officeがあります。実績のあるアプリで、会津若松市役所では仕事で使っています。
プログラミング言語は、例えばC言語、Python、統計言語Rなどで、その実行環境を作ることになります。今回はUbuntuというLinuxのディストリビューションを使用することにします。
セキュリティソフトについては、OSが決まってから考えます。
OSを決める
WindowsにするかMacにするかで悩むケースが多いと思います。幸いMicrosoft365、Libre Office両方とも、WindowとMacそれぞれで動くアプリがあります。学校で使うパソコンと自分のパソコンが違うと両方の操作を覚えなくてはならないので、両方一緒にするというのが一つの方法です。
今まで Windows の使用経験があるという方は慣れている方を選ぶという方法もあります。Macも同様です。それから、iPhoneやiPadの使用経験がある方は、操作感が似ているという理由でMacを選ぶのも良いです。
デザイン事務所などを除いては、将来就職してから職場で使うのはWindowsの場合が多いから、そちらを選ぶという方法もあります。
同じスペックだったら、Windows10のパソコンの方が、Macよりはやや割安なようです。
今回はWindowsを選ぶことします。WindowsのバージョンはWindows10を選んでください。Windows7は既にサポート切れで、 Windows8.1は在学中(2023年1月10日)にサポートが切れてしまいます。サポート切れのOSのパソコンをインターネットにつないで使用することは、ウイルス感染等の危険を伴います。
また、Windows10ならば、WSL(Windows Subsystem of Linux)上でUbuntuを使うことが出来ます。
なお、今回は Windows を選びましたが、MacOSの場合も、これ以降スペックを詰める考え方は一緒なので、参考にしてください。
Libre OfficeはOSがLinuxの場合でも動作するアプリがあるので、WSLを使用するのではなく直接UbuntuでLinuxをインストールして、それですべてを済ませてしまうという方法もあります。しかし、高校以前でLinuxを使用して慣れている人は少ないと思いますので、ここでは選択から外させていただきました。
セキュリティソフトを選択する
Windows10には、Microsoft Defenderという純正のセキュリティソフトが搭載されています。このほかに重ねてサードパーティーのセキュリティソフトを導入する場合には、以下のメリット・デメリットがあります。
メリット`
- Microsoft Defenderがとり逃した脅威があった場合で、サードパーティーのソフトがそれを検知してくれるかもしれないという期待感を抱くことが出来る。
デメリット
- 別途費用が掛かる。
- パソコンに常駐するので、動作が重くなる。
- 実行中のアプリと競合し、不具合を生じる可能性がある。
現在は、 Microsoft Defender の性能はサードパーティーのセキュリティソフトに匹敵すると言われています。
なお、 サードパーティーのセキュリティソフトを入れる入れないにかかわらず、Windows Updateが出たら直ちに行い、OSの脆弱性を残さないことの方が肝心です。そして怪しいアプリを実行しないなど、普段の行いに気を付ける方がよほど大事です。
デスクトップパソコンか、ノートパソコンかを決める
設置スペースがあって自宅で作業をするならデスクトップパソコンを選択します。持ち運びが必要ならノートパソコンを選択します。同じスペックなら、デスクトップパソコンのほうがノートパソコンよりも割安に調達できます。
ここでは、持ち運びが必要という前提で、ノートパソコンを選択します。
新品か中古かについて
コストが抑えられるのは中古です。故障の発生についてですが、新品の場合は初期不良が起こる可能性があり、中古の場合は経年劣化による故障が起こる可能性があります。
故障に対してどう備えるかなのですが、保証がついている場合は販売業者に対応してもらえるのですが、工場出荷の状態に戻ってしまいます。保証期間が切れている場合は、再調達をすることになります。なお、故障が発生する確率はゼロには出来ないので、自分の作ったファイルのうち、なくしたら困るものについては、バックアップを取ることが大事です。
今回は、まず中古の価格を調査し、新品と比較して検討します。
スペックを決める
ノートパソコンの場合、まず画面の大きさを決める必要があります。主にA4、B5ノートがあります。A4のほうが画面が大きいので見やすいです。軽さはB5のほうが有利です。好みで決めて良いのですが、今回は A4ノートにいたします。
次に画面の解像度なのですが、フルHD(1,920×1,080)までなくてもいいと思います。一般に、画面の解像度が上がれば上がるほど、処理速度が必要になり、製品の価格は上昇します。用途がオフィススイートの使用ということであれば、もっと解像度が低くても全く問題ありません。
次にCPUについて検討します。CPUを作っているメーカーはIntelとAMDがあります。性能の高い順からIntelはCore i9、Corei7、Corei5、Corei3、Pentium、Celeronとなります。AMDは Ryzen9、Ryzen7、Ryzen5、Ryzen3、その他₍Athlonなど₎……となります。あと、中古の場合製造された時期がいろいろなので、同じi5であっても初期のころより最近のほうが性能は良いです。ただ、事務処理等の場合は、正直どれでもいいです。というのも、PCの性能は後述のストレージの種類によるほうが大きいからです。それでもちょっと余裕を見るならば、IntelだったらCorei3以上、AMDはRyzenのどれかを選んでおけば良いでしょう。
メモリは4GBだと少ないという方もいるみたいです。余裕見たら8G以上です。
ストレージはSSDのほうがHDDより高いのですが、速度はSSDが断然早いです。構造上最もPC全体の性能を決める部品なので、数千円高くはなるのですがSSD搭載のものを強くおすすめします。容量は64GBだとWindowsの分だけで結構埋まってしまうので、128GB以上で考えてください。プログラミング環境を使う人は、240GB以上が良いと思います。SSDの空き容量が少ない場合は、自分で作ったファイルに関しては、外付けのハードディスクを買ってそれに移すとか、One driveやGoogleドライブに入れておくこともできます。バックアップの必要性を、重ねて強調しておきます。
中古パソコンを選ぶ
中古パソコンは中古パソコンの専門店やリース会社直営のWebサイトで売っています。リース会社直営のWebサイトのほうが、 中古パソコンの専門店より保証期間は長めのような気がします。しかし、保証期間が長いということは、その分価格に転嫁されている可能性はあります。中古パソコンの専門店は、実店舗の他に、各店舗のサイトで売っている場合もあります。また、価格.comに、中古パソコンの横断検索が出来るページがあります。
実際に見てみたいという方は実店舗のほうが良いのですが、秋葉原、大須、日本橋は遠いという学生さんもたくさんいらっしゃるでしょうから、今回は通販のものから選定します。
価格.comで見つけたのがこのパソコンです。17,800円です。型番を入れて検索すると、メーカーのページが出てきました。スペック的には、画面解像度が1920×1080、CPUがi5-2520、メモリ8G、ストレージSSD128GBです。製造時期が2011年なので、10年前です。それでも状態が良くて、メモリを増やしてあって、SSDに換装されていれば、多分、速度的には大丈夫です。今このブログを書いているデスクトップパソコンも、 CPUがi3-3240、メモリ8G、ストレージSSD128GBなので、若干このノートパソコンよりスペックが低いくらいなのですが、SSDが入っているので快適です。唯一の懸念としては、バッテリーは充電可能と書いてあるのですが、バッテリーの寿命が来たら再調達できるかどうかというところです。そこはメーカーに聞いてみるくらいの周到さがあってもいいかもしれません。ただ、リーズナブルなのは間違いないので、これを買って、故障したらまた安いのを買うという方法でも良いかと思いますし、ここまで安いとスペアを含めて2台調達するということも可能になってくると思います。2台同時に故障する確率は限りなく低いです。
もうちょっと値段が上がっても、製造時期が後のものを探してみたのがこちらになります。44,000円です。リース会社直営のWebサイトで探しました。 画面解像度が1366×768、CPUがi5-8285U、メモリ8G、ストレージSSD256GBです。特にプログラミング環境が必要な方には、ストレージの容量も良いかもしれません。 2018年ごろ購入ということで、最初のノートパソコンよりはだいぶ新しいです。
ストレージの容量がもう少し大きいほうが良い場合は、こちらになります。31800円です。 画面解像度が1920×1080、 CPUがi5‐6300U、メモリが8GB、ストレージSSD512GBです。
新品パソコンを調査する
価格.comで調査してみました。DELLの良さそうなのを見つけました。36,853円で、画面解像度が1366×768、CPUがi3-1005G1、メモリ8G、ストレージSSD128GBです。 新品にしては非常に安いし、このくらいの性能があれば十分なのでお買い得なように思います。
今回は、この中のどれというのは特に決めませんが、そんなに高いお金を出さなくても勉強用のパソコンは探せるということがご理解いただけたかと思います。
プリンター
プリンターの選び方は、以前ブログに書きました。今は提出物を紙にプリントすることがどのくらいあるのでしょうか?最初はコンビニプリントを利用して様子を見て、大量に印刷するようだったら購入することを考えるということで、良いように思います。
Webカメラ
ZOOMなどで自宅でリモートの授業を受ける際に必要です。今回挙げたなかでは、DELLの新品以外は、企業のオフィス用で、Webカメラが内蔵されていません。
解像度は求められないので、安価なものでいいと思います。これは価格やスペックだけだと何を買っていいのか決めにくいので、今回はAmazonなどの口コミを参考にして選びました。
Webcam C170というLogitechの製品です。1,980円です。
ヘッドセット
マイクとスピーカーで授業を受けるより、音を拾いやすいので、こちらがおすすめです。今回はMM-HS515SVNというサンワサプライの製品です。933円です。スマホ付属のイヤホンマイクで済ませる人もいます。これも上を見るときりがないので、まずは安価なものを選べばいいと思います。
マウス
一つあると作業がしやすくなるのでおすすめです。無線のものと有線のものがあり、無線のものだとケーブルは不要になりますが、電池を内蔵する分だけ重くはなります。これは好みで選んで良いです。安価なもので良いと思います。
無線はM171GR Logitechの製品です。 700円です。有線はM100r Logitechの製品です。770円です。
外付けHDD
自分で作ったデータが大きいときや、バックアップ用に必要になったときに買えばいいと思います。容量が大きくなるほど値段は上がります。MARTIAL MAL2500EX3/BKという製品です。500GBで3,980円です。
最後に
このご時世で、経済的に大変な学生さんもたくさんいらっしゃるかと思います。用途を決め、必要なアプリを選び、必要な性能のパソコンをよく探すという手順をきちんと踏むことで、安価で十分なものが手に入ります。
自分のアタマで筋道立てて考え、よく調べるということが重要かと思います。皆様が手に入れたパソコンを活用して、充実した学生生活を送ることが出来るよう祈っております。
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